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(シーミング)

巻き締めカシメ
(シーミング)

巻き締めカシメ
(シーミング)とは

巻き締めカシメ(シーミング)とはプレスカシメの一種。板金のフチを巻き込むように折り、潰してカシメる加工方法です。巻き締めカシメとシーミングは同じ意味合いで、フチの折り込み方・折り返し方は複数存在します。画像(a)のように2つの金属を組み合わせ、片側に巻き締めカシメ(シーミング)を施すケースもあれば、画像(b)のように1枚の板金の両端を合わせて巻き締めカシメ(シーミング)を施すケースもあります。

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巻き締めカシメ
(シーミング)の原理

シーミング
画像引用元:MiSUMi-VONA公式サイト「シーミング(プレス接合 プレス加工による接合 その4)」(https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/press_mold_design/pr03/c0292.html)

巻き締めカシメ(シーミング)は、曲げ加工とカシメ加工を組み合わせた加工方法です。板金のフチを巻き込むように折り曲げる工程と、それを潰してカシメる工程に大きく分けられます。第一段階の「曲げ加工」の工程で、どのように板金のフチを折り曲げるかによって、カシメの強度が大きく変わってくるので覚えておきましょう。

代表的な巻き締めカシメ
(シーミング)の形

シーミング
画像引用元:MiSUMi-VONA公式サイト「シーミング(プレス接合 プレス加工による接合 その4)」(https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/press_mold_design/pr03/c0292.html)

画像は代表的な巻き締めカシメ(シーミング)の形をまとめたもの。加工が比較的簡単なのは(c)ですが、カシメが外れやすい傾向があるため注意が必要です。特に加工が難しいのは(e)で、そのぶんカシメの強度も高いのが特徴。(k)(l)はピッツバーグロックと呼ばれる曲げ加工で、板金のフチではなく中間でカシメられます。

このように、様々な曲げ加工・カシメ加工が存在し、それぞれメリット・デメリットがあるため、カシメる製品の用途・目的に合った方法を選ぶことが大切です。

巻き締めカシメ
(シーミング)のメリット

板金のフチを折り曲げてカシメる方法なので、リベットやナット等の副資材を調達するコストを削減できます。また、板金同士を重ねて折り曲げて締結するため、凹凸が少なくて見た目がスマート。ネジやボルト、溶接よりも引っかかりがありません。加工後の強度や安定性にも優れています。

また、巻き締めカシメ(シーミング)は密閉力が高いため、水漏れの心配がありません。缶詰やダクトなど、生活環境でよく目にするものに利用されているので、身近に感じられるでしょう。また、板金のフチを折り曲げて潰す方法なので、溶接するのが難しい組み合わせの素材も締結できます。

巻き締めカシメ
(シーミング)のデメリット

曲げ加工・カシメ加工という工程が増えるぶん、ほかのカシメ加工方法よりも加工時間がかかるのがデメリット。また、巻き締めカシメ(シーミング)は、リベットやナット等の副資材を用いるカシメと比べて外れやすい傾向があります。中には強度の高い曲げ加工もありますが、加工が難しいのが難点です。

巻き締めカシメ(シーミング)が用いられる主な業界

巻き締めカシメ(シーミング)は普段良く目にする「缶詰」にも使われている加工方法です。缶詰の脇にあるポコッと膨らんだ部分が、巻き締めカシメ(シーミング)の締結部。そのほか、密閉力が高く、水漏れを防げるメリットを活かして、ダクトの部品を製造する際にも利用されています。

カシメ機メーカーの選び方

現在カシメ加工に時間と手間がかかっているなら、作業工程を記録・プログラム管理できるカシメ機にシフトチェンジするのがおすすめです。数値・条件を都度設定する手間を省けるほか、省人化による人員コストの削減データに基づいた品質管理にもつながります。

カシメる素材の硬度やサイズ、カシメる目的などによって選ぶべきカシメ機は異なるもの。カシメたい製品に合ったカシメ機を見つけるには、販売しているカシメ機の「加圧力」が幅広いメーカーに相談するのがおすすめです。

次のページでは、「作業工程を記録・プログラム管理できるカシメ機」を取り扱っているメーカーを5社取り上げて紹介しているので、是非チェックしてみてください。

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カシメ機(ハンドピース・専用カシメ機を除く)を販売しているメーカー14社の中から、カシメ条件をプログラム管理できるカシメ機を取り扱っている5社を厳選。
各社の公式サイト、または一般公開されているカタログにスペックが掲載されていた製品を調査して、取り扱っているカシメ機の加圧力の幅が広い順に紹介しています(2021年10月7日時点の調査情報)。

 

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クリンチングナットやスタッド、スペーサーをカシメられる トヨタ自動車東日本
株式会社の技術開発賞
を受賞している
取扱製品の
加圧力の幅
0.3kN~196.0kN 0.5kN~100kN 0.1kN~50kN 0.5kN~50kN 1.2kN~15kN
試作対応 3拠点
(東京・愛知・大阪)
要問合せ 2拠点
(東京・タイ)
要問合せ 2拠点
(愛知・秋田)
公式HP

※取扱製品の加圧力の幅、スタンド型カシメ機(独立したタイプのカシメ機)とユニット型カシメ機(専用機に取り付けられるカシメ機)の種類、試作対応の拠点数については、各メーカーの公式サイト、または一般公開しているカタログにスペックが掲載されていた製品データをもとに算出しています(2021年10月7日時点の調査情報)。

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