ローリングカシメ(ロールカシメ、ローラーカシメ)と呼ばれるものは、大きく2通りに分けられます。文献を参考にしながら解説しているので参考にしてみてください。
一般的に「スピンカシメ」と呼ばれるカシメ加工方法を、メーカーによってローリングカシメ(またはロールカシメ、ローラーカシメ、ロ一ターボンチカシメ等)と呼ぶことがあります。
スピンカシメとは、簡単に説明するとポンチを回転させながら加圧してカシメる加工方法です。カシメヘッドに対して傾斜したポンチを、リベットの接地面を軸としながら自転させることで、リベットに局部的な荷重が順次加わります。垂直にプレスするよりも小さな力で塑性変形できるため、ズレや歪み、潰れなどが起こりにくいのが特徴です。株式会社日立製作所の文献でも、ポンチを回転させながら加圧するカシメを「ローリングカシメ」としていました。
スピンカシメの
メリット・デメリット
スピンカシメ機
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株式会社ダイセルの文献によると、パイプや筒状ハウジング等の加工に用いられるローリングカシメ具のことを指すケースもあるようです。
ローリングカシメ具は、回転軸の端に取り付けられるタイヤのような見た目のカシメ具。ローリングカシメ具の内側(回転軸側)は中心に向けて段々になっています。回転させながら筒状の開口部を加圧することで、筒のフチがカシメ具の段々に沿って塑性変形し、内側にカシメられる仕組み。筒のフチを内側にカシメることで、筒の中(内側)にある部材が出てこないように固定できます。型で加圧して塑性変形させるという部分で、絞りカシメをイメージするとわかりやすいかもしれません。
カシメ作業・金属接合にかかっている時間や手間を解消したいなら、作業工程を記録・プログラム管理できるローリングカシメ機(スピンカシメ機)にシフトチェンジするのがおすすめです。数値・条件を都度設定する手間を省けるほか、省人化による人員コストの削減やデータに基づいた品質管理にもつながります。
カシメる素材の硬度やサイズ、カシメる目的などによって選ぶべきカシメ機は異なるもの。カシメたい製品に合ったカシメ機を見つけるには、販売しているカシメ機の「加圧力」が幅広いメーカーに相談するのがおすすめです。
次のページでは、「作業工程を記録・プログラム管理できるカシメ機」を取り扱っているメーカーを5社取り上げて紹介しています。5社中4社がローリングカシメ機(スピンカシメ機)取り扱いメーカーなので、是非チェックしてみてください。
カシメ作業の
効率化・コスト削減を実現する
おすすめのカシメ機メーカー5選
業務効率化・コスト削減を実現する
おすすめの
カシメ機メーカー5選
カシメ機(ハンドピース・専用カシメ機を除く)を販売しているメーカー14社の中から、カシメ条件をプログラム管理できるカシメ機を取り扱っている5社を厳選。
各社の公式サイト、または一般公開されているカタログにスペックが掲載されていた製品を調査して、取り扱っているカシメ機の加圧力の幅が広い順に紹介しています(2021年10月7日時点の調査情報)。
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ノウハウ・提案力なら 吉川鐵工 |
加工精度で選ぶなら 仲精機 |
職人に相談するなら 弘機商会 |
ネジ立てを付けるなら ファブエース |
機械設計力で選ぶなら 千秋技研 |
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特徴 | カシメ技術に関する 特許を150件以上取得 してきた実績がある |
ラジアル方式で カシメのズレや歪みを 0.01mm未満に抑える |
精密カシメ盤製造歴 50年以上の職人が 在籍している |
クリンチングナットやスタッド、スペーサーをカシメられる | トヨタ自動車東日本 株式会社の技術開発賞 を受賞している |
取扱製品の 加圧力の幅 |
0.3kN~196.0kN | 0.5kN~100kN | 0.1kN~50kN | 0.5kN~50kN | 1.2kN~15kN |
試作対応 | 3拠点 (東京・愛知・大阪) |
要問合せ | 2拠点 (東京・タイ) |
要問合せ | 2拠点 (愛知・秋田) |
公式HP |