カシメとは、溶接、接着剤、ネジ・ボルトなどを使用せずに板金を締結できる加工方法の総称です。
金属は、力を加えて変形させても、力を取り除くと元の形に戻ろうとする性質(弾性)をもつ一方、一定以上の力(弾性の限界を超える力)を加えて変形させると、力を取り除いた後も元に戻らなくなる性質(塑性)を持ち合わせています。カシメは、この塑性(そせい)という性質を利用して複数部品を締結する方法です。
カシメ作業の
効率化・コスト削減を実現する
おすすめのカシメ機メーカー5選
カシメの加工方法はひとつではありません。「圧力を利用して塑性変形させ、複数の部品を締結させる」という仕組みはどのカシメ加工にも共通していますが、細かな仕組みは圧力を加える箇所、加圧のかけ方、加工温度などによって変わってきます。
カシメ機といえば小型の手動カシメ機(リベッター)から工場の作業能率を上げられる大型のカシメ機まで実に様々ですが、ここでは主に工場で使用するカシメ機の加工方法(スピンカシメ・プレスカシメ・熱カシメ)の仕組みを取り上げて解説しています。
「リベッティングマシン」という機械を用いるのが一般的です。カシメたい部品の穴にリベットを通し、回転するポンチで圧力をかけながら塑性変形させて固定します。回転させながらリベットの表面に満遍なく力を加えられるため、プレス機で垂直にリベットを加圧するよりも小さな力でカシメることが可能。ズレや潰れが生じにくいメリットがあります。また、加圧力を調整すれば、リベットと部品の間に隙間を確保して、可動性をもたせることも可能です。
プレス機・プレス器具を用いてカシメる加工方法の総称。リベットを使用する場合は、棒状のリベットを縦方向から垂直に押し潰すので、軸が太くなり部品との隙間が埋まります。強く結束できる反面、可動性が求められるリンクには不向きです。リベットに大きな圧力をかけて押し潰すため、加工する際には大きな振動と音を発します。
その他、板金に曲げ加工を施した後、プレス機・プレス器具で加圧する方法も。折り曲げた板金を噛み合わせて潰したり、2枚の板金の端を巻き込むように折り返して潰したりすることで締結します。メリットはリベット調達のコストを抑えられること。デメリットは母材を加工するため、失敗したときにやり直しがきかないことです。
熱カシメとは、カシメたい部分を熱変形させつつ、圧力を加えてカシメる加工方法です。プレス機で垂直に押し潰すよりも、弱い力でカシメられるのがメリット。また、熱変形させられるため、加圧だけだと割れたり潰れたりしてしまう樹脂やプラスチック素材をカシメるのにも適しています。
主な熱源は電気、赤外線、超音波です。電気を流すことで発生する電気抵抗によるジュール熱を利用したり、超音波を流して高速振動による摩擦熱を発生させたり、赤外線の放射熱を利用したうえで、熱変形させてカシメます。
業務効率化・コスト削減を実現する
おすすめの
カシメ機メーカー5選
カシメ機(ハンドピース・専用カシメ機を除く)を販売しているメーカー14社の中から、カシメ条件をプログラム管理できるカシメ機を取り扱っている5社を厳選。
各社の公式サイト、または一般公開されているカタログにスペックが掲載されていた製品を調査して、取り扱っているカシメ機の加圧力の幅が広い順に紹介しています(2021年10月7日時点の調査情報)。
▼右へスクロールできます
ノウハウ・提案力なら 吉川鐵工 |
加工精度で選ぶなら 仲精機 |
職人に相談するなら 弘機商会 |
ネジ立てを付けるなら ファブエース |
機械設計力で選ぶなら 千秋技研 |
|
---|---|---|---|---|---|
特徴 | カシメ技術に関する 特許を150件以上取得 してきた実績がある |
ラジアル方式で カシメのズレや歪みを 0.01mm未満に抑える |
精密カシメ盤製造歴 50年以上の職人が 在籍している |
クリンチングナットやスタッド、スペーサーをカシメられる | トヨタ自動車東日本 株式会社の技術開発賞 を受賞している |
取扱製品の 加圧力の幅 |
0.3kN~196.0kN | 0.5kN~100kN | 0.1kN~50kN | 0.5kN~50kN | 1.2kN~15kN |
試作対応 | 3拠点 (東京・愛知・大阪) |
要問合せ | 2拠点 (東京・タイ) |
要問合せ | 2拠点 (愛知・秋田) |
公式HP |